2023.03.28
刺しゅう加工は初めての方へ
「刺しゅうを取り入れてみたいけれど、分からないことだらけで依頼しづらい・・・」と躊躇されているお客さまは多いのではないでしょうか。
・何をどう相談すれば良いのか?
・どのくらいの費用でできるのか?
・どのくらいの日数を見込んでおけばよいのか?
そこで、ご相談からご納品までの流れを少しだけ詳しくまとめました。ぜひご覧ください。
目次
1.お問い合わせ
まずはお問い合わせフォームかお電話で、大まかなご相談内容とご連絡先をお知らせいただきます。
その際に、分かる範囲で下記の内容を一緒にお知らせください。
・刺しゅうの図案やイメージ
・制作予定数
・希望の納期や予算感 など
また、この段階で刺しゅうのイメージや、イメージの伝え方、刺しゅうの費用感などが分からない状態でもご安心ください。次のヒアリングの段階で疑問を解消していきます。
2.ヒアリング
お問い合わせいただきますと、営業担当者が電話やメール、オンライン会議、またはご訪問によって直接ヒアリングし、お客さまの様々な疑問を解消していきます。
教えていただく主な内容は、ブランドや製品のテーマ、デザインの方向性、刺しゅうの表現方法、予算や納期などです。
打ち合わせを重ねるうちに自然とイメージや手法が固まってきます。
3.ご提案
ヒアリングで得た情報を基に、弊社が保有する刺しゅう資料を使ってイメージ作りのお手伝いをします。
インターネット上では見つからない刺しゅう表現や、画像では想像しづらい素材感や質感などを、資料を使って実際にご確認いただくことで、お客さまのイメージの再現性を高めます。
余談ですが、刺しゅうの新しい表現が、お客さまとのやり取りの中で生まれるケースも沢山ありますよ。
4.概算見積もり
以上のお客さまとのやり取りを経て固まった情報を基にお見積りをいたします。
概算見積もりの項目は、大きく5項目あります。
①試作費:1部分の刺しゅう、カラーシミュレーション、素材の適正確認など簡単な刺しゅう見本を作製する費用です。
②図案作製費:ラフ図案や写真などから図案を作製する費用です。
③刺しゅうデータ作製費:コンピューター刺しゅうミシンを動かすための刺しゅうデータを作製する費用です。
④サンプル加工費:製品サンプル製作用に使用する刺しゅうの費用です。カウンターサンプル、ファーストサンプル、各色サンプル、展示会サンプルなどは刺しゅう代はこちらの費用になります。
⑤量産加工費:本生産時の刺しゅうの費用です。経済ロットは100枚以上を設定しております。依頼総数が100枚を切る場合は、段階的に料金が追加されます。
※注意※
・この時点では概算になりますので最終の見積りに対して差額は発生します。
・見積書の記載金額は税抜き価格になりますのでご注意ください。
5.試作
試作は、サンプル作製を依頼する前に、下記の懸念点を解消する目的で行っています。
・選んだ生地が刺しゅうに適しているか
・サンプルがイメージ通りの仕上がりになるか
・依頼するかどうか決めかねている など
この際のデータ作製費、刺しゅう代はすべて※無料にて対応しております。
※弊社が保有するデータの使用または、一部分の作製に限らせていただきます。
試作のご依頼時には、依頼予定の生地を20cm四方程度で構いませんので、弊社までお送りください。
株式会社タナベ刺繍 〒769-2604 香川県東かがわ市西村1023 TEL:0879-25-5108 |
6.図案作製
刺しゅう用のデータを作製するための下絵となる図案を作製し、お客さまにご確認いただきます。
お客さまが図案をご用意なさる場合は、デザインのタテヨコの寸法を明記してください。
図案の種類は、イラストレーターやフォトショップのデータや印刷物、写真やイラストを切り貼りしたもの、手描きやラフスケッチなど何でも対応できます。
上記の方法で図案をご用意できない場合はこちらでご用意します。刺しゅうの手法によっては、刺しゅうのシミュレーション図案の作製も可能です。
図案の作製期間は、1日~10日ほどです。その間にお客さまと確認を繰り返しながら完成まで進めます。
※簡単な図案作製は無料にて対応いたします
7.刺しゅうデータ作製
提案内容や見積もり価格・試作・図案を確認いただいた後、サンプル加工に向けて※刺しゅうデータを作製します。
※パンチデータやパンチカードと呼ばれているものと同じものです。
この刺しゅうデータ作製の技術によって刺しゅうの良し悪しが決まると言われています。
まずは、サンプル加工用に投入いただいた生地の特徴を把握して、最適な刺しゅう方法を選び、糸の密度や針目の長さなどを設定します。
部分的なデータ作製と試し縫いを繰り返し、イメージ通りに出来上がりになるよう調整しながら完成に近づけていきます。
刺しゅうデータの作製期間は、3日~10日ほどです。ご希望によっては途中経過をグラフィックで確認することもできます。
データ完成後でも20%前後のサイズ変更、反転などは無料で対応いたします。
8.加工準備
サンプルを作製するため刺しゅう用の材料などを準備していきます。
〇生地や資材
刺しゅうデータ作製前に投入いただくことが理想ですが、間に合わない場合はデータ完成までに投入してください。
生地や素材に余裕がありましたら、糸の調整や縮みの確認などの試し縫いに使用しますので、少し多めに投入をお願いいたします。
〇色の決定
刺しゅう糸やその他資材の色もデータ完成までに決定し、お知らせください。
糸や資材の見本帳は、弊社のものを※お貸しするか、ご購入いただくようになります。
糸の種類や色が多すぎて決めるのが困難な場合は、私たちにお任せいただくことも可能です。
図案製作の際にカラーシミュレーションを行って同時に確認いただくこともできます。
※貸し出し中の場合は長期間お待ちいただくことがあります。行ったり来たりの運送費を考慮するとご購入がおすすめです。
9.サンプル加工
刺しゅうデータと材料が揃った時点でサンプル加工に移ります。
サンプル加工の期間は、3日~10日ほどです。
刺しゅうが出来上がり次第、即日の出荷が可能です。いち早い確認が必要な場合は、サンプルの画像をメールなどでお送りできますので、遠慮なくお知らせください。
また、サンプル出荷の際に、型紙や残布など一緒にお戻しするものがありましたらご指示をお願いします。
10.本見積もり
サンプル加工が終わりましたら、正式なお見積り書をお渡しします。
これまでの費用(図案代、刺しゅうデータ代、サンプル加工代、送料)および量産時の刺しゅう代を、ロット別にご連絡します。
次のサンプル作製代や仕様変更などによる刺しゅう修正の希望がありましたら、同時にそのお見積りもご連絡します。
また、上代やロットに対して希望の価格がありましたら遠慮なくご相談ください。できる限り対応いたします。
11.量産発注
刺しゅうの生産数量が確定し発注いただきますと、量産に移ります。
発注は、①数量、②投入予定日、③希望の納期の3点を営業担当者にお知らせください。
やり取りした情報は生産管理システムを通して、生産管理担当者に引き継がれ、システムには受注済みと登録されます。
※加工日数は数量や投入時の状況にもよりますが、約2~3週間を目安としてください。
※刺しゅう後に他の加工が入る場合は、さらに1~2週間必要になります。
※刺しゅう糸以外の資材を使用する加工に関しては投入の1か月前にご連絡ください。
※お急ぎの場合はこの時点で生産管理担当者にお伝えください。
12.量産投入
量産用の生地の投入をしていただきますが、その前に以下の準備をお願いいたします。
〇裁断物での投入の場合
・反別ロットの仕分け、生地のオモテ表示をお願いします。
・刺繍位置を印した型紙、色とサイズを明記した数量明細書、製品見本を同封してください。
〇製品での投入の場合
・刺しゅう位置を明記した仕様書、色とサイズを明記した数量明細書、製品見本を同封してください。
※検品用などに先上げが必要な場合は事前にお知らせください。
上記がこちらで確認できた後に刺しゅう加工を行います。
また、投入物の確認や納期のご連絡、量産進行状況の確認や返送先の指示は、生産管理担当者へお願いいたします。
※すべての工程を万全を期してを行っておりますが、約2%加工不良が発生しております。予備生地を同封していただけると非常に助かります。
13.ご納品
刺しゅう加工、検品、仕上げの工程を経て、ご納品となります。
生産管理担当者から納品準備完了または準備中の連絡を行いますので、お届け先の変更、運送会社や到着時間の指定、出荷明細の連絡先などをご指示ください。
通常の運送会社はヤマト運輸です。関東へは翌日午後以降から翌々日の午前中、関西は翌日中の到着となります。
出荷後に運送便の送り状番号と加工明細書のお知らせを含めた出荷完了の連絡を行います。
荷物の到着後は中身の確認をお願いします。
お気づきの点がありましたら、生産管理担当者までご連絡をお願いします。
14.決済
最初のお問い合わせから最終の量産の納品まで、約6カ月の期間がありますので、ご請求は各依頼ごとに行っております。
初期のサンプル作製時に弊社在庫品以外の材料を弊社でご用意する場合は、先に代金をいただいたくことになります。
お見積書またはご請求書を発行いたしますので、金額をご確認の上、お支払いをお願いします。
支払い方法は下記銀行への振り込みのみとなります。
・百十四銀行三本松支店 当座4144
・中国銀行三本松支店 当座6460
※振り込み手数料はご負担ください。
※振り込みの際の控えが領収書になりますが、消印の入った領収書を発行することも可能です。
まとめ
ここでは刺しゅう加工のご相談からご納品までの流れを紹介しました。
実際に刺しゅうの相談をする前に、イメージに近い資料をご用意いただければ、相談時の打ち合わせや見積もりの内容がより明確になります。
また、刺しゅうサンプルを基にしたご提案を経ると、完成時の姿を想像しやすくなり、よりイメージに沿った・あるいは想像以上の仕上がりの刺しゅうを作りやすくなります。
コミュニケーションを密に取りながら、一緒に魅力ある商品作り上げましょう。